過去のコンサルティング実績と留意点

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組織再編・事業再生のコンサルティング

このコンサルティング経験は当事務所のスタッフのメンバーも含めて豊富です。
特に最近は、中小企業金融円滑化法が2013年3月で期限切れとなり、金融機関も単なる延命措置をすることができなくなり、 それに合わせて生き残りできる企業かどうかの判断とその再生支援が必要となってきます。
企業再生のための組織再編、事業再生計画の策定を金融機関、再生支援協議会等といっしょになって策定し、経営実践の指導を行うことの ニーズが増しています。

又、再生支援が必要な会社の多くは、税務申告のための決算に終始していて、経営判断に役立つデータや数字把握をしておらず、 経営の何処が問題で、何処に力を入れればいいかがわからないというのが実態です。この数値把握手法を変えることから始めねばなりません。 さらに経営の根本は経営者であることもあり、その資質や人間性の判断も大切になってきています。特に最近の金融機関の支店長は数字を見ることが 中心で経営者の資質がどうなのかを後廻しにしている傾向があります、数字が悪い場合に、そのビジネスモデルの何処に問題があり、 どのように変革、管理をしていけばその経営者ならやっていけるということの見極めが大切です。

海外投資、海外現地法人の経営状況の検討、外資企業の日本での経営・
税務についてのコンサルティング

a)英語圏に関連したコンサルティング
当事務所の責任者である佐伯は過去に3年余の間、オーストラリアのシドニーの大手会計事務所ビッグ4の一つKPMGで日本企業の現地法人設立、 M&A、不動産投資、グローバルな視点での相続対策、現地法人を含めたグループ全体でのグローバルな経営管理、税務対策等々の経験があります。
又、海外に現地法人や支店、駐在員事務所をつくった場合の法人、個人の税務上の論点、当該国との租税条約等についても経験があります。 必要に応じて現地を訪問し、英語でのやり取り、現地会計事務所との打ち合わせ、必要と認めた場合、現地会計事務所への要請を行っています。

b)中国進出企業へのコンサルティング
さらに、最近の日本企業の中国進出に合わせて中国との行き来を繰り返してきたその経験の中から次のようなことがいえると思います。

例えば、日本企業の中国法人では、増値税申告目的で中国式、中国語で数字がつくられていても、日本の親会社等への適切な報告ができていません。 日本では考えられない我流の処理や中国式処理をしている。(例えば売上仕入計上は中国の場合、正式な发票(インボイス)をもって計上するのが普通です。 それはインボイス方式の増値税の申告が毎月あり、この税務申告が優先されるからです。従って輸出輸入取引が絡む場合、そのインボイスの発行が 数カ月遅れることとなり、物の動きに合わせた処理ができず、在庫を保有する場合に売上と売上原価の不対応、日本の関係会社と中国の現地法人の 債権債務の不一致といった問題がでてきたり、誤りや不正が発生しています。

又、中国人の給与は毎年15%~20%アップし、生産工場としての役割を果たすには厳しい環境になりつつあり、雇用条件等のトラブルが 多発している状況です。
日本企業が中国で成功するためには、中国人と本音で付き合い、理解し合う必要があります。そのためには人間性の優れた経営ができる中国人を 登用して信頼関係を構築し彼に仕事を任せてコミュニケーションをとりながら、現地は現地のやり方という面も取り入れながら 経営していかねばならない(中国語で「外事方法是因人而导的」と言います)と考えています。

そこで現在は中国子会社等をもつ日本企業に対して、例えば現地法人を訪問し、増値税・法人所得税申告のための数字把握から、 経営判断に役立つ管理会計導入、日本への報告書式の提案とその内容チェック方法の指導等々のコンサルティングにも力を入れています。

c)海外より日本への進出企業へのコンサルティング
海外より日本に進出してくるケースにおいては、日本の会計、税務等々を親会社に説明するとともに、税務申告書や財務諸表を英語や 中国語に訳して親会社の責任者に英語や中国語で説明するといったことも行っています。

海外コンサルティングの現場で感じた「日本」「日本人」

2月の下旬に3日程、オーストラリアの親会社に日本の子会社の決算報告のためシドニーに行ってきました。 現地でクライアントへの行き帰り等にタクシーを利用することも多いのですが、その際のドライバーとの会話から…。

今回、合計5度程タクシーに乗車しましたが、移民国家らしくドライバーの出身国が全て違っていました。
イラン、シリア、ルーマニア、オーストラリア、インドです。イラン人にどのようにしてこの国に来たのかと聞きますと 「まず、山越えしてイラクに脱国し、その後アラブ首長国連邦でオーストラリア入国のためのビザをもらい、やっと入国できた」とのこと。
シリア人はシリアではエリートで国費留学生としモスクワの大学に行き、この後シリア政府係企業のエンジニアとして働いていたが、 オーストラリアに逃げるように来たとのこと。アサドは独裁者で国民に自由がないと自国の制度を批判していました。
ルーマニア人も共産党独裁政権の頃ニュージーランドに行き、そのまま国には帰らず、その後オーストラリアに来たと言っていました。

彼らは国を捨て、あるいは逃げるように脱出してきた人達で、過去において流弾に追われたり、家族が亡くなったりといった経験を持っています。 でもその語り口は、危険な目にあったり、悲惨な出来事を経験した素振りは少しも見せず、淡々としています。 正しく彼等は「人はそれぞれ事情を抱えて平然と生きている」なんです。

そして、彼らが話す言葉の中には必ず何処かに「自由」という言葉があります。
そして、我々が「中国に抜かれた」とか「日本は経済力が落ちている」とか言ってわめいていても、 「でも、日本は自由な国だろ、皆それぞれにチャンスがあり、何処へでも行けて、やりたい事ができるんだよね、いい国だよ。」
「大丈夫、中国は日本に絶対勝てないよ、国民一人一人に自由がないんだから。国民一人一人の自由が全てだよ。」
そういえば、上海からシドニーに来る飛行機の隣の席の中国人女子学生は親が自由を求めてオーストラリアに帰化したと言っていたし、 日本で働いていた知り合いの中国人が日本に帰化できたと喜んでいました。
インド人ドライバーが言っていました。「日本人も中国人もよく働くけど日本人の方がずっと優しいよ。何故かなあ?だから日本人が好きだよ。」

コンサルティングを海外相手にする場合、根本的なところで日本人というのはどういう性癖をもっていて、海外の人にどのように思われているかを意識した次第です。




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